すっかり雨の上がった午後は、会場を高崎市役所3階に移して班別協議会に参加した。
初めの提案者は新潟県長岡市立阪之上小学校岸美紀養護教諭で「計画的・組織的な学校環境衛生活動の実施と事後処置の在り方」を発表された。同校では年間を通じ計画的に検査を実施しているが、データを積み上げるだけでは意味がないと考え、学校薬剤師の指導助言のもと、効果的なデータの活用を実践することとした。
1. 病気予防の観点から検査データを生かすこと。
冬期の空気管理では湿度と換気について全職員に周知徹底させた。児童には科学的実験データを提示し、換気の必要性を理解させるよう努めた。
各教室に加湿器を1台ずつ設置し、水替えを当番制にした。また、毎時限終了時や昼休みに、換気のための5分間窓あけ運動を全校一斉に実施するなど、児童自らが環境衛生に気をつけるようになった。この結果インフルエンザの蔓延を防ぐことが出来、学級閉鎖は0であった。
2. 学校組織体制で取り組むノロウイルス。
下痢やおう吐による汚物を適切に処理しないまま放置することで感染が拡大する事を全職員に周知徹底した。さらに各教室に処理グッズ(籠に新聞紙、使い捨て手袋、ビニール袋、キッチンペーパー、使い捨てマスク、次亜塩素酸液(スプレー式)、等をセットしたもの)を配置し、いつでも居合わせた者が適切に処理できる体制をとった。
また、学校内で罹患児童が出たら、放課後全職員で構内を清掃消毒している。
3. 保健学習を通して環境衛生を学ぶ。
3年生保健学習「自分たちの健康を守る活動」という単元で学校薬剤師の仕事を紹介している。児童は整った環境を当たり前のこととして生活していたが、周囲の人によって守られていることに気付き、検査結果から自分でできる環境対策を考え実践できるようになってきている。
次の提案者は千葉県君津市立周南中学校鹿島美津子教頭で「学校・家庭及び地域と連携した防犯教育や安全確保対策のあり方」を発表された。
将来地域を担う青少年を地域・家庭・学校、全てが一体となって育成している取り組みが紹介された。
以上の発表を受け、研究協議では八王子市の児童駆け込み「ピー子君の家」の実例、防犯カメラの設置に伴う事例、生徒のためのメール講習会などが紹介された。最後に指導助言者からまとめの講評があり活発な協議会となった。
引き続き同会場で学校薬剤師職域部会が開催され、群馬大学・内田元彦名誉教授から特別講演「老いとは衰弱ではなく成熟することである」があり、学薬のみでなく多くの参会者が聴講した。
10月には80歳を迎えるという内田先生は日体大卒業後、前橋高校教師、群大大学院教授を勤められ、その傍ら体操協会コーチとして男子団体プラハ、ドルトムントを2連覇し、東京オリンピックでは女子団体を銅メタルに導き、現在は県スポーツ少年団本部長として現役で活躍しておられる。
今年7月、オーストリアで開かれた世界体育祭に児童を引率したが、日本の子供たちの社会性が他国に比べ未成熟であると痛感されたという。また「老年学」「未医学」の話もあり「人生とは習慣である。毎日を健やかに過ごす事が習慣病の予防になる」と。毎日の生活管理として、運動の習慣を実行されている先生の現役の活躍が証であると感じた。
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