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埼玉県学校薬剤師会 学薬だより
 
「学薬だより」より (10月号)
「学薬だより」白石美智子会長 / 「関東甲信越静学校保健大会報告」矢作有子常務理事
 
「学薬だより」
学校薬剤師会会長 白石美智子

 記録的な猛暑も峠を越え、涼しい新学期が始まりました。
 県内4か所で開催された学校薬剤師講習会は今年も500人に近い会員が受講し、無事終わろうとしています。教育委員会より、年々、薬物乱用防止教室の開催も増え、学校薬剤師の行う授業も増加しているという報告があり、喜んでおります。お忙しい中ですが、児童生徒のためにお願いします。

 8月23日、今年は高崎市において「第58回関東甲信越静学校保健大会」が開催され、各県より、養護教諭を始め学校職員や教育委員会、学校3師など総勢1200人近くが参加。埼玉県学校薬剤師会としては白石と矢作常務理事が出席しました。
 特別講演を含む全体会に続き、午後は班別研究協議会、夕刻より学校薬剤師職域部会の講演、各県の情報交換の場となる懇親会と有意義な一日となりました。

  特別講演「笑いと健康」−笑いの科学―は落語家の芸名も持つユニークなドクター中央群馬脳神経外科病院理事長・中島英雄先生です。先生は小学校3年生で桂文治師匠に入門。ドクターの仕事の傍ら落語家としても患者の治療に貢献しています。
 最近の笑いは、人をいじめて笑いを取る不健全な笑いであり、テレビの影響が大きい。

 笑いのメカニズム:何で笑うのか。 
毒をくわえたとき本能で吐き出す。危機回避した時、自己の安全を確認し安心する。
その時ホッとして笑いが出る。(お腹を閉めて空気をサッと吐出す→笑いとなる)
強い驚き→ストレス対抗ホルモンがでる→恐怖→泣き→余剰ストレス放出→安心・安堵→笑い→余剰ストレスホルモンの昇華・麻痺←脳内麻薬
笑うとエンドルフィンが出て治療の上でも病気が改善する。(体内で作られるモルヒネの意味)。
 笑いがある種の病気を改善するという調査報告もあり、常に笑いを忘れずにいることは健康に過ごす上で大切なことだということです。
 この後、本当の高座が設えられ、着物姿の桂前治師匠(中島先生)が落語を一席披露してくださり、大笑いのうちに午前の部が終了。日頃のストレスを吹き飛ばす、笑いの効果を体験しました。

 笑いの効果

  1. 笑った後α波とβ波が増える
  2. 笑いの前後に血液がアルカリになる
  3. 唾液によるストレス度を測るとアルカリ性になっている
  4. 血糖値が下がる
  5. 血液サラサラになる、水を飲むのも良い
  6. 海馬や扁桃体で笑っている→脳の血流量増加
  7. 大脳の高次機能の改善がみられる

笑いは自己生命の安全を確認した結果の行動で、脳の活性化と癒しをもたらす。
 脳を患い、体が不自由になった患者さんを病院寄席で力づけ、大きな効果を上げているという素晴らしいお話でした。
最後に先生がおっしゃった一言。
「私が何気なく生きている今日は、死んだ人が生きたいと思っていた一日である」
 
  午後からは第5班「快適な学校環境づくりと実践力を高めるための安全教育」の班別協議会に出席。矢作常務理事より報告。

*埼玉県学校薬剤師会主催の「学校薬剤師技術講習会」と永年勤続学校薬剤師表彰式を平成19年11月18日(日)午後1時半より、浦和常盤会館(市役所隣)において開催します。希望者は支部長に申し込んでください。ホームページでも可。締切は10月31日。
「関東甲信越静学校保健大会報告」
学校薬剤師会常務理事 矢作有子

 
 すっかり雨の上がった午後は、会場を高崎市役所3階に移して班別協議会に参加した。
初めの提案者は新潟県長岡市立阪之上小学校岸美紀養護教諭で「計画的・組織的な学校環境衛生活動の実施と事後処置の在り方」を発表された。同校では年間を通じ計画的に検査を実施しているが、データを積み上げるだけでは意味がないと考え、学校薬剤師の指導助言のもと、効果的なデータの活用を実践することとした。

1. 病気予防の観点から検査データを生かすこと。
 冬期の空気管理では湿度と換気について全職員に周知徹底させた。児童には科学的実験データを提示し、換気の必要性を理解させるよう努めた。
 各教室に加湿器を1台ずつ設置し、水替えを当番制にした。また、毎時限終了時や昼休みに、換気のための5分間窓あけ運動を全校一斉に実施するなど、児童自らが環境衛生に気をつけるようになった。この結果インフルエンザの蔓延を防ぐことが出来、学級閉鎖は0であった。

2. 学校組織体制で取り組むノロウイルス。
  下痢やおう吐による汚物を適切に処理しないまま放置することで感染が拡大する事を全職員に周知徹底した。さらに各教室に処理グッズ(籠に新聞紙、使い捨て手袋、ビニール袋、キッチンペーパー、使い捨てマスク、次亜塩素酸液(スプレー式)、等をセットしたもの)を配置し、いつでも居合わせた者が適切に処理できる体制をとった。
 また、学校内で罹患児童が出たら、放課後全職員で構内を清掃消毒している。

3. 保健学習を通して環境衛生を学ぶ。
  3年生保健学習「自分たちの健康を守る活動」という単元で学校薬剤師の仕事を紹介している。児童は整った環境を当たり前のこととして生活していたが、周囲の人によって守られていることに気付き、検査結果から自分でできる環境対策を考え実践できるようになってきている。

 次の提案者は千葉県君津市立周南中学校鹿島美津子教頭で「学校・家庭及び地域と連携した防犯教育や安全確保対策のあり方」を発表された。
 将来地域を担う青少年を地域・家庭・学校、全てが一体となって育成している取り組みが紹介された。

 以上の発表を受け、研究協議では八王子市の児童駆け込み「ピー子君の家」の実例、防犯カメラの設置に伴う事例、生徒のためのメール講習会などが紹介された。最後に指導助言者からまとめの講評があり活発な協議会となった。

  引き続き同会場で学校薬剤師職域部会が開催され、群馬大学・内田元彦名誉教授から特別講演「老いとは衰弱ではなく成熟することである」があり、学薬のみでなく多くの参会者が聴講した。

  10月には80歳を迎えるという内田先生は日体大卒業後、前橋高校教師、群大大学院教授を勤められ、その傍ら体操協会コーチとして男子団体プラハ、ドルトムントを2連覇し、東京オリンピックでは女子団体を銅メタルに導き、現在は県スポーツ少年団本部長として現役で活躍しておられる。
  今年7月、オーストリアで開かれた世界体育祭に児童を引率したが、日本の子供たちの社会性が他国に比べ未成熟であると痛感されたという。また「老年学」「未医学」の話もあり「人生とは習慣である。毎日を健やかに過ごす事が習慣病の予防になる」と。毎日の生活管理として、運動の習慣を実行されている先生の現役の活躍が証であると感じた。

 
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